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児童思春期の行為障害(家庭内窃盗、万引き、など)
- 病的窃盗か犯罪か!!
- 親の金品を盗むが 社会犯罪をしないことを家庭内限局性行為障害といいます。当院に受診される80%以上は家庭内で起こるもので、本人に反省がなく常習化しているケースがほとんどです。本人はクリニックに無理やり連れてこられ、診察では黙りこんでいて、盗みの理由は きわめて短絡的で ”買いたいものがあったから盗んだ” とか、”悪いとわかっているが親が怒るから、お金を取りたくなった”など 、などが多いようです。親のとにかく犯罪を起こさないようにしてほしいとの希望がつよいのが現状です。親も悪いことをしているのだから叱って何が悪い、またひどく怒れば怒るほど盗みがエスカレートし、その理由が全くわからないと話しています。
- 養育問題を指摘されることに我慢ができない親たち、、
- 当院では、他の医療機関がほとんど取り扱わない家庭内問題を受けております。最近では特に多いのが、子供の窃盗で、学校内でのクラスメートから物をとる行為や親から金を盗み行為などの相談が目立ちます。また学校で粗暴行為や万引き行為などの相談も多く、ほとんどが常習化しており、いずれも治療に難渋することが多いケースです。その原因の発端は親の厳しいしつけが原因となっていることがおおく、親からは子供が悪いことをしているから怒って当然であるとの考えから抜けれません。クリニックに子供自身から希望を受診をするケースはまれで、そのほとんどが親が子供の行為障害に悩んで無理やり連れてくることがほとんどです。子供は診察室ではひたすら沈黙し、あとでもっと怒られてしまうからなど、その恐怖感から、子供から親から具体的にどのように怒られたなど説明がほとんどできません。しかし、受診の回数が多くなるにしたがって、子供は正直に話をするようになります。その実態は しつけと言いながらも実際には子供に罰として、何時間も怒鳴りちらす、ける殴る、食事を与えない、冷たい水をかけて夜に外に出すなど明らかに行き過ぎたしつけが行われていることがあり、なかには明らかに虐待と思われる行為も混ざっています。クリニック受診前、あらかじめ子供にそのことを話すことを口封じしていることも多くあります。しかし、そのような親たちの考えは万引きや窃盗の問題だけを治療してもらいたく、養育の問題に触れられることを非常に嫌がる傾向があります。現状では親たちの諸問題で悩んでストレスが過剰になった子供たちのうっぷんが、行為障害(暴力、窃盗、~)に結びついていることが、ほとんどですが、そのような親たちの意見は子供が悪いことをしているから叱って当然だと思いが強く、その考えからぬけれません。またその子供の行為障害に困り果てて、養育センターや児童相談所に丸投げの状態となっていることがおおく、当院を受診されるときはこじれにこじれて、どうにもならない状態で受診されます。中には子供の発達の問題で行為障害が治りにくいケースもありますが、養育の方法を見直すことが必要なことが多いのが現状です。
- 正しいことを伝えてくことが最優先事項
- クリニックの評判だけを考えれば、親が触れてほしくない部分は会話をせず、養育方法を容認し、親の苦しみだけを理解し、子供の問題行動だけを指摘していく方法がもっと楽な方法でしょう。でも子供にとってみればクリニックで怒られ、家でも怒られ、自尊心は傷つけられ、自己肯定感はなくなります。さらにそのうっぷんがたまり、その問題行動がさらにエスカレートします。そして、その後には再び厳しいしつけが起こり、悪循環が起こります。子供は明らかにうつ状態となり、ADHDに似た症状がでます。親子の関係を触れずに問題行動をなくすことになると、薬を使用し鎮静させていく方法となり、根本的な解決にはなりません。果たして、それが正しいことでしょうか??? 発達ではないけど、発達と診断して、問題行動を発達のせいにすれば、親も受け入れが簡単でしょう。それも正しいことでしょうか???? なかには、その問題を薬でどうにかしてほしいと考えている親もいて、非常に考えさせられます。検査で明らかにADHD症状がつよく、知能の発育に将来問題が生じるようなときのみ、当院では薬物の使用を考慮します。発達障害であれば、養育方法にコツが必要で、そのように困ったことがあれば、養育の相談はいくらでも乗ります。家族の全員が心が穏やかで生活ができるように、正しいことを伝えていくことが義務と思っています。
- 養育の問題に関して、両親のプライドが傷つかぬよう最大限の配慮は行いますが、それでも納得がいかない親もたくさんいらっしゃいます。その怒りの矛先はクリニックへ向けられます。口コミで悪く書かれます。でも当院や院長のことがどんなに悪く書かれても、それでも家族関係が改善し、いい方向に向いてくるのであればこれほどうれしいことはありません。願わくば、子供の幸わせが何よりも優先です。
- 家庭内での窃盗は、社会への窃盗へ移行するのか?
- 本人に社会へ犯罪をしていく理由のおおきな要因として、交際している友人や仲間がすでに犯罪がグループ化し常習化している場合はきわめて今後犯罪をしていく可能性が高く、同じ犯罪を行うことで仲間意識が生まれることで、さらに仲間から抜けることが困難となってきます。ここで一番重要なことは本人自身が悪いグループから抜けて更生したい意思があるかどうかです。本人はそのような気持ちがあれば、周囲や親は本人の意思を尊重し手助け(弁護士、警察など~)の相談の上、本人のため動くことが大事です。
- 本人が学校に行っており、大学やその他将来への希望が強い場合は、このように社会への犯罪行為を行えばすべてを失うことになるので、犯罪行為が拡散する可能性はきわめて低いと思います。しかし悪いことへの罪の意識が低い場合は将来も悪事に巻き込まれやすい要素は否定できません。
- 今後、どうしていくか?
- 当院では犯罪行為の更生は行っておりません。あくまでも本人が行為障害を治したい意思があるかどうかであります。児童で自我形成が弱い場合は本人の同意が得られなくても、親は本人のために努力をしたいとの意思があればお引き受けいたします。
- 親の養育態度に問題があることが多く、まず養育態度の改善をしていただきます。同意が得られない場合は、治療をお断りしていただきます
- 本人の自我確立(少なくとも14歳以降~)しており、犯罪行為の否認が強く罪の意識が低い場合、行為障害を治すことはほとんど不可能です。また窃盗に計画性があり、罪の意識が低いものは明らかに犯罪であり、病的窃盗とは区別されます。
- 児童思春期の問題行動 当院の受診傾向